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オーケストラの性能を測るのに、格好な曲がある。最初から最後までプレスト(非常に速く)で演奏される《ルスランとリュドミラ》というオペラの序曲だ。作曲者はミハイル・イヴァノヴィッチ・グリンカ。ロシア国民主義音楽の始祖で、今日が誕生日のオペラは古代ロシアを舞台に、悪魔にさらわれた王女ルスランを3人の求婚者が救い出すまでの冒険談。音楽には、ロシア以外にもフィンランドやとほうちいきのみんぞくてきなようそがとりいれられていて、全体としてメルヘン的な活劇童話のオペラである。
その序曲。オーケストラ・コンサートでは楽員の腕鳴らしとして1曲目か、または最後まで巧く終わったコンサートで、さらに拍手喝采を浴びるためのアンコールとして演奏されることが多い。ティンパニの、演奏を引っ張るような大活躍も聴きどころ。極限の猛スピードで演奏されるムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルの痛快な名演で聴きたい。