ロス・アンヘレス、デ・ブルゴス/ファリャ・三角帽子(英 EMI ASD608)
デ・ブルゴスの定評ある代表盤。スペインの指揮者によるスペインもの。また、クラシック音楽のイメージを超越したソプラノに酔いたい時にぴったり。野性的なリズム感でスペイン風の色彩を濃厚に漂わせるこの演奏は、ロス・アンヘレスの魅力ある歌唱とともに、今もってこの曲の代表盤といえる。
独創的な拍子は何度聴いても新鮮であるし、キングスウェイホールの広さをここぞとばかりに有意義に活用していて、広い空間に展開されるオーケストラ・サウンドを堪能するオーディオのリファレンスにも良い。
これがスペイン音楽!を実感することが出来る。
スペイン音楽の如くリズム、メロディ・ラインに独特の歌い回しがあるものは、やはり「お国の」アーティストに限る。ファンダンゴやファルーカのリズムはときに激しく荒々しく、美しいメロディーの歌い回しは実に妖艶だ。こうした濃厚な色彩と情熱的なリズムは、生粋のスペイン人という指揮者ブルゴスだけが出せるのではサウンドではあるまいか。
しかし、この異教的雰囲気たっぷりの土俗的エネルギー、そしてリズム要素を重視した現代感覚は、指揮者にとっては特異なレパートリーではと思いますが、デ・ブルゴスはスペイン的なカンタービレとでも言いたくなるような歌のある演奏に仕上げているように聞こえてきます。妙にソフィスティケートされたところがなく、そしてイギリスのオーケストラでもスペイン的な要素を、しかもスペインのオーケストラ以上に効果を出している。そう、このレコードのオーケストラはイギリスのフィルハーモニカ管弦楽団だ。
何度も演奏しているオーケストラの名称を確認させられてしまう。これをなせる業持ち合わせているのはそうザラには居まい。当時のフィルハーモニア管弦楽団の優れた機能性を活用してダイナミックで表現の幅の広い演奏を繰り広げている。録音も左右いっぱいに展開するステレオ・イメージ、コントラバスの基音までしっかり捉えたレンジ感など、まったくもって素晴らしい。1963~1964年にロンドン・キングスウェイホールでの録音。
作曲家 | マヌエル・デ・ファリャ |
---|---|
ソプラノ歌唱 | ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス |
指揮者 | ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス |
オーケストラ/楽団 | フィルハーモニア管弦楽団 |
録音種別 | ステレオ録音 |
ジャケット状態 | M- |
レコード状態 | M- |
レコード製盤国 | イギリス盤 |
販売価格 | ¥20,000 |
Early Large Dog Semi Ciecle, STEREO 1枚組(150g), Release 1964。